今回は『眼瞼下垂』(がんけんかすい)という病気についてお話します。
あまり聞きなれない病名かも知れませんが、主に加齢が原因で発生する、
よくある病気のひとつです。
● 眼瞼下垂とは?
眼瞼下垂とは、上のまぶたが開きづらくなってしまった状態のことを言います。
年齢を重ねるとともに、上まぶたがたるんだ感じになり、
目がしっかりと開いてないように見えることがあるともいますが、
極端に言うと、そのような状態を指します。
眼瞼下垂になってしまうと・・・
□ 上方の視界が狭くなった
□ 上方の視界が暗くなった
□ 上方が見づらい
このような症状が現れます。
また、まぶたの中にある「眼瞼挙筋」(がんけんきょきん)という筋肉でまぶたを上げられなくなります。
そのため、まぶたの上にあるおでこやこめかみの筋肉でまぶたを上げるクセがつく方がほとんどです。
その結果、おでこにシワができたり、おでこやこめかみに凝りを感じたり、
慢性的に頭痛がしたりといった現象や症状が現れることもあります。
顔にあんまりしわがないのに、おでこにくっきり3本のシワがあるような方には、
眼瞼下垂ぎみで、おでこで無理してあげていることが原因の場合も多々あります。
● 眼瞼下垂の原因と治療法
眼瞼下垂とは、前述の通り、眼瞼挙筋というまぶたの中にある筋肉の衰えが原因で起こる病気です。
ほとんどの場合、その原因は加齢です。
眼瞼挙筋が伸びきってしまったり、
ひどい場合には眼瞼挙筋が正しい位置から外れてしまったりして、
まぶたが思うように上がらなくなってしまいます。
あるいは、眼瞼挙筋の機能は正常の範囲であっても、
皮膚がたるんできてしまっているために、まぶたが下がっているように見える状態の場合もあります。
両方が同時に起こっている場合も、もちろんあります。
眼瞼下垂は、手術で治療することになります。
症状の程度や原因によって、手術による治療方法も変わってきますから、
まずは眼科できちんと診断してもらうことが重要です。
いずれにしても、年齢を重ねるとともに誰にでも起こりうる現象ですので、
まぶたのたるみや上方の視界の悪さを感じたときには、眼科を受診してください。
ちなみに、時々生まれつき眼瞼下垂という方もいますが、
その場合には、どのタイミングで治療をするかということもよく考えて選択していかなくてはなりません。
お子さんにまぶたの異常が感じられる場合には、
すぐに眼科で診てもらうようにしてください。