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2021年07月06日

知っておきたい目の病気の基礎知識 その17『緑内障』のお話

人が得る情報の8割は、視覚を通して得ているものと言われています。大切な目だからこそ、日頃から『目の点検』を欠かさずにいたいものです。

不具合がないと、「見えて当たり前」と思いがちですが、加齢とともに目の病気を患うリスクは高まります。

この医院新聞を通じて「目の病気」について、一緒に考えてみたいと思います。今回は、目の病気の中でも特によく知っておいてほしい『緑内障』のお話です。

◆ 緑内障とは?

緑内障とは、目から入ってきた情報を脳に伝達する視神経という器官に障害が起こる、目の病気です。
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視野(見える範囲)が狭くなる病気で、治療が遅れてしまうと失明に至ることもあります。

視野が狭くなる症状は少しずつ進行します。そのため、見える範囲も少しずつ狭くなっていきます。

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(画像出典:参天製薬さんのホームページ)

その進行は非常にゆっくりであり、また両方の目の症状が同時に進行することはかなり珍しいため、病気がかなり進行するまで自覚症状がほとんどありません。

そのため、緑内障に気づかず、自覚症状が現れたときにはかなり病気が進行してしまっているというケースも少なくありません。

◆ 緑内障の治療

一度障害を受けた視神経は元には戻らないため、緑内障を完治させることはできません。

そのため、緑内障の治療は、視神経がダメージを受けてそれ以上視野が狭くならないようにしていく、進行予防のための処置が基本となります。

主に眼圧を下げる効果がある点眼薬を使い、進行を予防します。眼圧が適正にコントロールできているかを観察する必要があるため、定期的な検査も欠かせません。

点眼薬を使っても視野が欠けていく症状の進行が止まらない場合、外科的処置を行うこともあります。

◆ 早期発見・早期治療を!

今回お話したとおり「自覚症状に乏しい」ということが、緑内障という病気の最も怖いところ…

緑内障は中高年の方に起こる代表的な病気のひとつで、誰にでも起こり得る可能性があり、40歳以上の17人に1人が緑内障を発症していると言われています。

一方で、その90%以上の人たちが緑内障の治療を開始していないとも言われており、それだけ自覚症状に乏しい病気なのです。

そして、一度失った視野は元の状態には戻らないため、自覚症状が出る前に発見することが重要です。

ですから、40歳を過ぎたら何も症状は感じなくても、年に一度は眼科検診の受診をおすすめします。
posted by あまの眼科 at 09:00| 緑内障と白内障 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年03月08日

緑内障と白内障〜17〜

こんにちは
緑内障と白内障シリーズ、
今回が最終回です!
今回は緑内障の予防についてお話しますね。

● 緑内障の予防

緑内障は、早期発見が最も大事なことです。
ですから、眼科や健康診断での『定期的な検査』が一番の予防法だといえます。
緑内障は、「自覚症状がほとんどない病気」です。
視力の低下が自覚できるような段階では、病気が相当進行していることがほとんどです。
緑内障の直接的な原因は眼圧(眼球内の圧力)が高くなることです。
しかし、なぜ眼圧が高くなったのか正確な要因が分からないケースがとても多いのが実態です。
また、日本人は眼圧が高くなっていないにも関わらず
緑内障の症状を発する正常眼圧緑内障の患者さんも非常に多い国民です。
一方で、適切な治療を行うことで
病気の進行を食い止めることができる確率が非常に高い病気でもあります。
このようなことを考えても、
やはり「定期的な検査を受けて早期発見すること」が緑内障の最大の予防法と言えるでしょう。

緑内障は、40歳以上の方の17人に1人がかかる身近な病気のひとつです。
一方で、緑内障患者さんの約9割が自覚症状のない患者さんでもあります。
40歳前後ぐらいの頃から、定期的な検査を受けるようにしましょう。


● 緑内障と診断されたら?

治療技術が進歩している現代では、
かなり高い確率で進行予防に成功しています。
ですから、緑内障と診断されたとしても、
きちんと治療しながら生活していけば、日常生活において不自由することなく
生活していくことができるでしょう。
まず、緑内障と診断されたら通院を欠かさないことです。
緑内障は、症状が進行するまで自覚症状がほとんどありませんので、
治療の必要性を感じないまま放置している人も数多くいます。
また、ふだんは二つの眼で見ているため、
互いの視野でカバーされることから不自由を感じないで生活できるため、
治療を受けない方もいます。
しかしながら、一度視野の異常が起きたら後戻りはできませんから、
欠かさずに通院するようにしましょう。
そして、処方される薬を眼科医の指示通りに点眼・服用することです。
どんなに良い薬でも、正しい用法を守らないと適切な効果は得られないからです。
最も大切なことは、緑内障という病気のことを正しく理解して、
必要以上に心配しすぎないことでしょう。
緑内障は早期発見と適切な治療により、
多くのケースで一生涯十分な視野と視力を保つことができるようになってきています。
過度な心配をせずに、毎日を楽しく過ごし、
充実した人生を送って欲しいと思います。
posted by あまの眼科 at 08:00| 緑内障と白内障 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年02月02日

緑内障と白内障〜16〜

緑内障と白内障のお話、本日はレーザー治療と手術についてお話します。

A レーザー治療
レーザー治療では、
目の中の水(房水)が出て行く部分(線維柱帯)を処置して、
そこにからまっている色素細胞を除去します。
イメージとしては、線維柱帯をお掃除して、房水の流れを良くするというような方法です。

B 手術
手術は、投薬治療やレーザー治療の効果が不十分な場合に行われる治療法です。
いくつかの手術法がありますが、
緑内障の症状によって最善と考えられる術式が異なっています。
緑内障の手術の目的は、視力を回復することよりも、
視野障害の進行を食い止めることにあります。
緑内障の治療法について3種類お話してきましたが、
共通することは『視野障害の進行を止めること』を目的としていることです。
これは、視野障害の進行が少ないうちに治療を始めることが
最も大切なことだと言い換えることもできます。
40歳を過ぎたら『定期健診』を必ず受診するようにしましょう!
posted by あまの眼科 at 08:00| 緑内障と白内障 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする