不具合がないと、「見えて当たり前」と思いがちですが、加齢とともに目の病気を患うリスクは高まります。
。今回は、夏場の8月に最も流行する『流行性角結膜炎』について、お話します。
◆ 流行性角結膜炎とは?
この病気は、両目に充血、流涙、目やに、まぶたの裏側に小さなぶつぶつ、まぶたの腫れなど、結膜炎の症状が強くあらわれます。
同じく夏に流行しやすい目の病気には、俗にプール熱と呼ばれる咽頭結膜熱もありますが、
流行性角結膜炎では発熱やのどの痛みはほとんどありません。
結膜(白目)の炎症だけでなく、角膜(黒目)にも症状が発生することがあるため、「流行性角結膜炎」と呼ばれています。
結膜炎の症状は2〜3週間で治まりますが、角膜にまで炎症が及んで、角膜に点状の濁りを生じ、モノが見えにくくなることがあります。
症状が重い場合、この濁りが数ヶ月から1年もの期間に及ぶことがあります。
◆ 流行性角結膜炎の原因は?
流行性角結膜炎は、「アデノウイルス」というウイルスによって引き起こされる感染症で、
咽頭結膜熱(プール熱)とともにウイルス性結膜炎の代表的な病気です。
アデノウイルスは感染力がとても強く、流行性の病気であることに注意が必要です。
例年8月に流行のピークを迎え、夏に流行しやすい病気と言えますが、
アデノウイルスそのものは1年中活動しているので、夏以外にも流行することがあります。
また、咽頭結膜熱と異なり、小児から高齢者まで幅広い年齢層で発症するのも特徴です。
感染経路は、手指やタオルなどを介した接触感染です。
ウイルスに感染した眼を手でこすると、このとき手に大量のウイルスが付着します。
その手で触れた箇所にウイルスが付着し、そこを他の人が触れてしまい、無意識に目や口に触れるといった経路で感染が簡単に広がっていきます。
◆ 予防方法は?
アデノウイルスは、手指を介して感染が広まりますので、手洗い・手指消毒や身の回りの消毒が大切です。
流行時期や身近な人が感染した場合、できるだけ密接な接触は避け、こまめに手洗い・手指消毒を行いましょう。もちろん、タオルや洗面器などの共用は避けるべきです。
流行性結膜炎にかかってしまった人が目やにや涙を拭き取る場合は、ティッシュや清浄綿を使うようにして、目に手で触れないように気をつけましょう。
また、症状が治まった後も2週間程度は感染リスクが
あり、二次感染にも注意が必要です。