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2020年10月06日

『加齢黄斑変性』のお話


人が得る情報の8割は、視覚を通して得ているものと言われています。

大切な目だからこそ、日頃から『目の点検』を欠かさずにいたいものです。

不具合がないと、「見えて当たり前」と思いがちですが、加齢とともに目の病気を患うリスクは高まります。

この医院新聞を通じて「目の病気」について、一緒に考えてみたいと思います。

今回は、『加齢黄斑変性』(かれいおうはんへんせい)について、お話します。

◆ 加齢黄斑変性とは?

加齢黄斑変性とは、モノを見るときに重要なはたらきをする黄斑という組織が、
加齢とともにダメージを受けて変化し、視力の低下を引き起こす病気のことです。

モノを見るときに、目の中に入ってきた光を網膜という組織で刺激として受け取り、
その信号を脳に送るために視神経に伝達します。

その網膜の中心部分が、黄斑です。

黄斑が変化すると、モノがゆがんで見える、視野の中心が暗くなる・欠ける、視力低下などの症状が出ます。

加齢黄斑変性は、糖尿病網膜症、緑内障とともに、失明リスクの高い病気なので、注意が必要です。


◆ 加齢黄斑変性の原因

加齢黄斑変性には、「委縮型」(いしゅくがた)と「滲出型」(しんしゅつがた)の2タイプあります。

「萎縮型」は、黄斑の組織が加齢とともに萎縮する現象で、症状はゆっくりと進行し、急激に視力が低下することはありません。

「滲出型」は、網膜のすぐ下に新しい血管(新生血管)ができて、これが黄斑にダメージを与えます。

新生血管は正常の網膜にはない血管で非常にもろく、その成分が漏れ出て溜まる、あるいは出血を起こしやすいという特徴があります。

この血管から出た液体が黄斑の組織にダメージを与えて、視覚障害を引き起こします。

◆ 加齢黄斑変性の対策

「委縮型」は、加齢現象のひとつであり、治療の必要ありません。

ただし、「滲出型」に移行して急激に視力が低下することがあるため、定期的な健診が必要です。

「滲出型」は、新生血管を沈静化させる薬を硝子体内に注射する「抗VEGF療法」という方法が一般的です。

早期発見できれば、見えない部分を最小限に抑えることができ、視野にはほとんど影響がなくて済みます。

日頃から、モノがゆがんで見えていないかを片目ずつチェックして、早期発見に努めましょう!


posted by あまの眼科 at 10:00| 眼のお話 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする