寒い時期は高血圧の人だけでなく、誰もが血圧が上がる傾向にあり、特に血圧が高めの人は要注意です。
その原因のひとつが、寒さへのストレスです。
ストレスというと、心的なものを思い浮かべるかもしれませんが、寒さも身体にストレスを与えます。
ストレスによって分泌されるホルモンがあり、このホルモンが分泌されると血管を収縮させて、高血圧を誘発します。
また、寒くなると血圧が上がるもうひとつの原因に、塩分の取りすぎがあります。
塩分は、体温を保持し温める働きがあります。
寒い地域に住む人々の塩分摂取量が高いことは知られていますが、これは塩分を摂取することで体温を維持してきたためです。
寒い地域だけでなく、お正月、クリスマス等大勢で楽しく食事をする機会が増えると、食事の量が増え、塩分摂取量が増えます。
また、冬は身体を温める鍋物や汁物などのメニューが多くなりますが、スープを残さず飲んでしまうと、塩分摂取量は増えてしまいます。
このように、冬は塩分を多く取りすぎてしまう傾向にあり、ナトリウムが増えた血液の浸透圧を一定に保つため、血液中の水分が増えます。
血液中の水分が多くなってしまうと、体内を循環する血液量が増えるために心臓に負担をかけ、血圧を上昇させてしまうと考えられています。
血圧が上昇した状態が続くと、血管がもろくなり、動脈硬化がすすんで、心筋梗塞や脳卒中を引き起こす恐れがあります。
厚生労働省の統計によると、心筋梗塞などの心臓病による死亡数は1月が最も多く、
次いで2月、12月、3月と冬季に集中し、夏季のおよそ1.5倍にのぼります。
この時期、もともと高血圧の人は特に注意が必要です!
◆ 冬の高血圧予防!気を付けたいこと
@ 塩分の摂りすぎに注意
鍋物や汁物の時は汁を残す、インスタント食品の摂取は避けるなど、工夫して塩分の摂りすぎに注意しましょう。
A 温度の急激な変化を避ける
急に寒い所へ出たり、冷たい水に触ったりすると、血管は収縮し血圧が上がります。
室内だけでなく、トイレや風呂の脱衣所も暖めて温度差をなくしましょう。
B 適度な運動を習慣化する
適度な運動は血圧を下げます。ウォーキングなど、1日20分程の有酸素運動を習慣化しましょう。
ただし、寒い中で急激な運動は危険なので、朝の通勤で走ったりするのは避けましょう。
C 生活習慣を改善する
アルコールはほどほどにし、喫煙はやめて、ストレスはため込まず、
睡眠時間をしっかり確保することも高血圧のリスクを減らします。