大切な目だからこそ、日頃から『目の点検』を欠かさずにいたいものです。
不具合がないと、「見えて当たり前」と思いがちですが、
加齢とともに目の病気を患うリスクは高まります。
この医院新聞を通じて「目の病気」について、一緒に考えてみたいと思います。
今回は、『飛蚊症』(ひぶんしょう)について、お話します。
◆ 飛蚊症とは?
飛蚊症とは、ものを見ているときに、黒い虫やゴミのようなものが動いて見える状態のことです。
黒い虫やゴミのようなものの形や大きさはさまざまで、
眼を動かすと追いかけてくるような動きや、白い壁や青空を見たときに自覚することがあります。
症状が出る年齢もさまざまで、
加齢とともに現れる人もいれば、20代から症状を自覚する人もいます。
◆ 飛蚊症の原因
飛蚊症の原因は、生理的な現象と、目の病気が原因で起こるものとに分けられます。
生理的な原因で起こる飛蚊症は、目の構造と密接な関係があります。
眼球の中の大部分を占める「硝子体」というゼリー状の透明な物質に、
何らかの原因で濁りが生じると、その濁りの影があたかも浮遊物のように見えてしまいます。
また、加齢とともに硝子体はゼリー状から液状に変化し、それが原因で、飛蚊症の症状が起こることもあります。
あるいは、母体内で眼球がつくられる途中で、硝子体から自然と消えていく血管の名残で、
生まれつきの飛蚊症がある人もいます。
このような生理的な原因で発生している飛蚊症の場合、
健康な目にも起こりうることなので、特に心配することはありません。
一方で、網膜剥離・網膜裂孔、硝子体出血、ブドウ膜炎などの目の病気が原因で、
飛蚊症の症状が現れることもありますが、その場合には治療が必要です。
◆ 飛蚊症の対策
飛蚊症の対策で大事なことは、その原因が生理的なものか、病気によるものか、ハッキリさせることです。
生理的な原因による飛蚊症の場合は、特に治療の必要はありません。
しかし、網膜剥離などの病気が原因の場合は、早急に治療が必要となります。
飛蚊症の症状に気がついたら、その原因が生理的なものか、
病気なのかを自分で判断せずに、眼科で検査を受けましょう!
特に、次のような症状がみられるようでしたら、必ず眼科を受診してください。
□ 黒い点の量や範囲が急に増えた
□ 暗い場所で突然稲妻のような光が見える
□ 急に視力が低下した
□ 視野の一部分が欠けている
早期発見・早期治療が、あなたの大切な目を守ります。